public of Health(公衆衛生って訳すけど本とは全然違います)

hisahiccup2005-03-28

今日は今回の訪問の初めてのweek dayである。まずは、大学の事務室に訪問をする。雨の中ではあったのだが,今日はカメラを持っていたので、すこし遠ざかってハーバード医学部の建物を写真に撮る.建物の前に広く芝生が広がっていて、すごく建物が壮大に見える。ここで世界最先端の医療教育が行われているのかと感にいってしまった.

事務室で,IDをもらい、次にこちらの大学の生協にいって,医学書を探した.
こちらの医療機器は多分日本より安いのではないかと思う。日本でいくらするかは知らないのだが、打腱器が290円近くで売っていた.ふむ、、これはお土産にいいのではないかと思いながら取り敢えず自分の分を購入した.
本の数は,決してそれほど多くはない。大学の近くのあの本屋よりも多分数が少ないのではないかとおもう。教科書的な本がずらずらと並んでいて,正直な話、相当期待してこの本屋にやってきていたため非常にがっかりした.dermatologyの本としては、一番有名なFitzpatrickの本が、最近新版が出たらしく売っていたのだが、特に新しいのをまた買う必要は感じられなかった。以前から興味を持っていたsecret series dermatologyは、結構いけている本でstepに若干近い空気が感じられたため、購入して帰ることにした.これで,皮膚科の勉強のところで目標としてきた、1冊本を読み終えると目標はこの本に決定した.Dermatology Secrets in Color

そのあと,日本にいる知り合いから紹介して頂いていたHarvard Public Healthの修士生の方とお会いし、授業に連れて行ったもらった.いちど有名大製薬企業を卒業してこの大学に入った方で、なんにしろフットワークが軽い方で、僕のこのようなお願いにきちんとチャンスを与えてくれたことを感謝した。リスクマネージメントに非常に造詣の深いかただ.一番話があったのは、日本とアメリカについての話しだ。正直,この国にはいつもおいしいところを持っていかれている気がする.
授業はちょうど学期が始まるところで、内容は”医師の給料をいかに決定するか”の話であった.introductoryクラスらしく、生徒にさまざまな疑問点を明示して終わる。大事なファクターとして,consisitency, transparency,supply and demand,quality relatedなどがあるらしい。実は,以前ここらへんのことは本を読んだことがあったためあの話かと思いながら聞いていた.ただし、この授業はより実践的であり,どのようにして医師とネゴシエイトして医師をなるべく安い値段で働いてもらうか、もしくは,給料交渉でどのように相手に納得してもらうかを話をしていくようだ.歴史に伴って,どのように給与体制が変化してきたかの話もあるらしい。
印象に残ったことは4つほどである.1つは,現在のところ,一つの優れた給与体制というものが存在しなく、結局evidence Basedでないのだということ.つまり、医師の方が看護師よりも給与が高いべきだということは本質的な話ではない部分でもあるのだ.確かに、医師の方が責任が重いため、給与が高いべきだということがconsistencyの項で上がってくる.しかし、医師の方が看護師よりも劣悪条件で働いているときもアリ、医師の方が給与がいいことによって,病院自体の生産性が上がるということは特に証明されたことではないのだ。(但し,生産性の高い医師にインセンティブを与えるのほうが、生産性が悪い人に何か罰をつくって厳しくみていくよりも生産性は高くなるなどのエビデンスはある。ほかに、医師を経営に入れると効率が非常にアップするというエビデンスもある.多くの医師はしたがらないのだが,,,)2つめは、給与体制の変化は基本的に医者がごねるから発達してきたものだということだ.日本では,東大出だろうが私立出だろうが基本的には同じ給与ラインに乗せている。また、ある医師の方が病院に対しての貢献が高くても殆どの場合同じ給与ではないかと思う。下手すると、アメリカから帰ってきても研修医上がりの給与しかもらえなかったりするのだ.しかし、こちらでは,病院の形態が違うこともあるが、”オレはがんばっているのだから給与をいっぱいくれ。”ということは当然のこととされており,日本人の留学ポスドクのように安いお金で死ぬほど働く人を、尊敬しないだけならまだしも少し軽んずる傾向にある.”私たち、経営者側は、ほれこの枠内でやるからいいだろうというのだけど、医師のほうがそうはいけなくてごねるのでしょうがないいろいろ作っているのだ。”とはっきりいっていた.3つめは、よく使われるqualityという言葉だ.この言葉は元は産業界から生まれた言葉なのだが、学生の間には非常に浸透してた.でも、本当にきちんと”この言葉を定義して使っていないだろ、おまえ”という人も結構いたと思う。困ったときはqualityといえば、とりあえず正解だったりするのだ.大学入試の細胞の中にいるものでミトコンドリアと答えると結構な確立で正解であるのと変わらない。さいごに、こっちの医者は基本的にお金で動いてしまう傾向が高いということである.日本では、ヤリガイとかコメディカルであるとか、責任とか、自分の技術とかそういうものが一番大事な要素として働いてくるようなのだが.
そんなこんなで授業を聞いて帰り,勉強をしてから寝る.今日学んだことは、アメリカはある意味皆正直だから大変であるということであったかとおもう.
Harvard Public Healthの修士生の方には非常にお世話になった.自分もいろんな意味でこのように人によい影響を与える人間になりたいとは思う.明日も、お世話になる予定なのだが。